『北村初雄詩集 補巻』
編者: 池谷竜
装画: フランツ・フォン・バイロス

発売日:同年12月2日
定価:各1,600円 (税別)
全国の書店およびAmazonにて予約受付中。
 

 
 

 

 本詩集は大正期に活動していた海港詩派の詩人、北村初雄の詩及び小説、評論等をまとめたものである。上巻に遺稿詩集『樹』を収め、下巻は刊行詩集未収録のものから撰定。補巻には第2詩集『正午の果實』を収録す。

 北村初雄の第2詩集『正午の果實』には大正9年刊行の家蔵版と大正11年に再版された稻門堂書店版があり、本詩集補巻は前者の家蔵版を収録。稻門堂書店版には大正7年刊行の柳澤健と熊田精華と初雄による合著詩集『海港』収載「薄紫の羅針(少年時代の回想)」の詩12篇、翌年制作「純白の乾舷標」の詩13篇が増補されるも、家蔵版収載の「希臘的風光」「Carmen」の詩4篇を割愛。この構成の相違により両者の印象及び読後感は多分に異なる。初雄の代表詩集と言えば『正午の果實』、その再版された稻門堂書店版となろうが本詩集補巻へは編者の専断で大正9年刊行の家蔵版を収める。三木露風の影響が顕著な第1詩集『吾歲と春』も拙くないが、本詩集での取扱いは見送る。遺稿詩集となった第3詩集『樹』は病を患った初雄が死と対峙し、幽冥な内省的詩境を詠う。その対をなすべく海港詩派の根明な側面を謳歌した第2詩集、その家藏板『正午の果實』を補巻として梓に上す。
 

以上、『北村初雄詩集 補巻』の「編者解題」より抜粋
 

2022.11.22 Ryo Iketani