『高鍬侊佑全集』
編者: 池谷竜
装画: 多賀新

発売日:2022年8月10日
定価:1,600円 (税別)
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 本全集は大正中期から後期に活動していた詩人の高鍬侊佑の詩及び童謡、書簡等、現存する彼の全著作をまとめたものである。

 高鍬侊佑は大正8年から11年にかけて文芸誌『文章世界』や『詩王』等へ投稿し、同人として詩誌『瑯玕』に参画。その主な詩作活動はわずか4年程で現在は勿論、当時でさえ彼の名を知るものは少ない。大正11年、肺の患いから病床に臥す高鍬は我が畢命を受け入れるべく詩集『月に開く窓』制作に着手するも8月頃、詩集刊行を目前に高鍬侊佑は病没。20幾歳であった。詩集の序の序詩を識す北原白秋曰く、高鍬は「自身の詩集をその見本一册だけ見て淋しく笑つて死んだ」という。

 大正11年8月6日、詩集『月に開く窓』は私家版として100部発行。本全集には詩集収録の詩14篇の他、高鍬が投稿した各誌収録の詩19篇(高鍬重朝名義や別筆名の桑井野十手等含む)と児童文芸誌『赤い鳥』から童謡6篇、小曲1篇、誌友らに宛てた書簡抄を収録。
 

以上、『高鍬侊佑全集』の「編者解題」より抜粋
 

2022.8.10 Ryo Iketani