『平井功詩集』
編者: 池谷竜
発売日:2023年12月31日
定価:各1,800円 (税別)
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本詩集は大正後期から昭和初期にかけて活動していた詩人、平井功の詩集『孟夏飛霜』、遺著『爐邊子殘藁』をまとめたものである。
平井功は大正10年に実兄正岡容の紹介で西條八十を訪ね、西條を介して日夏耿之介と知遇を得て西條と日夏に師事。翌年3月創刊の西條編『白孔雀』に寄稿、同年12月に近代文明社より最上純之介名義で詩集『孟夏飛霜』刊行。以後、日夏監修『東邦藝術』および改題『奢灞都』、『汎天苑』等に詩や譯詩、書評類を寄草す。昭和4年に平井は《游牧印書局》を設立、同年8月に同社より日夏鑒修のもと襍誌『游牧記』創刊。詩作や翻訳よりもむしろ造書感覚に秀でる才を平井に見たり。『游牧記』組版の巧みさと其余白の妙、黒朱2色刷が木炭紙及局紙の質感に一層温みを与う。11月に長男以作(故平井イサク、翻訳家)授かる。12月発行の第壹巻第肆・伍冊にて『游牧記』廃刊。翌年、山宮允の知遇により旧制府立高等學校圖書課へ勤務。その後の平井は左傾化し、昭和7年朱夏に思想問題に関する嫌疑で検挙(中略)釈放から1週間ほど投薬治療を施すも甲斐なく昭和7年10月1日午前8時に平井功、絕命す。享年26歳。
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昭和16年孟夏、平井功10回忌を迎うに際して父茂は驕子功の遺著『爐邊子殘稾』家藏板を70部上梓。父茂による功年譜、叙及題箋を日夏耿之介(黃眠道人)。装綴は山崎喜三郞(游牧記製本)が担う。
以上、『平井功詩集』の「編者解題」より抜粋
2024.4.30 Ryo Iketani